IPV® Effect
IPV®を使用したパーカッション流と治療効果
-
気道内にパーカッション流(断続的で高速の噴流小換気団)を導入
独自に開発したパーカッション流発生装置(ファジトロン®)で、気道内にパーカッション流を導入します。 -
パーカッション流が肺・肺胞内で反転し高容量の吸気・呼気が還流
パーカッション流は、60~300回/minの頻度で気道内に導入され肺胞にまで達します。ここで流体力学(作用・反作用の法則)に従いパーカッション流は反転し、反転流は気道の壁に沿って外向きに流れます。
気道内の中心部分を肺胞に向かう流れ(吸気)と、同時に気道の壁に沿って外向きの流れ(呼気)がそれぞれ層状に生じ、気道内で"層流"(二層の空気の流れ)が生じます。このようにして、気道内を高容量の吸気・呼気が還流します。これにより肺胞内の酸素化、炭酸ガスの排出を促進します。 -
大気開放機構のIPV®呼吸回路により肺胞内の異常な昇圧を防止
気道内の壁に沿った外向きの呼気は、スライド式ベンチュリーの大気開放機構で外気に排出され、気道内に異常な昇圧は生じない機構になっています。肺胞内でのパーカッション流の作用時間は、ミリ秒の単位なので肺胞が物理的変形をおこす前に、この圧はなくなります。よって圧損傷の発生を抑えて治療効果を得られます。 -
ネブライザーによる分泌物の流動化、パーカッション流による分泌物の排出
ネブライザーからの高濃度エアロゾルの加湿効果と高頻度のパーカッション流によるエアハンマー効果で気道内の分泌物は流動化し、気道壁に沿って呼気のパーカッション流が痰を肺胞・肺気管支から分泌物を押し上げ排出します。 -
胞内の酸素化が向上、無気肺も改善
肺胞内では、吸気のパーカッション流量と反転して呼気のパーカッション流量が同じ(100入った流量が100排出され、完全な換気が促される。)になり、平衡振動状態になって激しい攪拌効果を生じます。酸素分子の肺胞壁への衝突が活性化するためFiO2(吸入酸素濃度)が低くても酸素化が向上します。
パワフルなパーカッション流は、気道内の分泌物による気管支閉塞部を開孔して通気を可能にし、肺胞にまで達し無気肺を改善します。 -
IPV®呼吸回路付属のネブライザー治療効果(ドラックデリバリー効果)
パーカッション流の流れに乗りネブライザーを用いた薬剤吸入(ドラッグデリバリー効果)は肺全体にゆきわたり、治療効果をあげることができます。少ない薬液で肺機能改善効果が見込めます。
治療効果
- ・
- 呼吸機能の顕著な改善
①PIP(最大吸入圧)、FiO2(吸入酸素濃度)を低くしてPaO2(動脈血酸素分圧)を向上、PaCO2(動脈血二酸化炭素分圧)を減少、PaO2/FiO2を正常値にします。
気道熱傷を伴うやけど患者に低いPIP(最大吸入圧)、低FiO2(吸入酸素濃度)で改善し、救命率をアップします。
②急性期の無気肺を効率的に改善します。
③従来のメカニカル人工呼吸器で改善を見ない患者様に適用して、①②の効果が期待できます。 - ・
- 排痰効果
気道熱傷の患者様、脊髄損傷で体位変換ができない患者様のように従来の呼吸理学療法の適用が不可能な場合にも肺内理学療法を適用できます。
排痰を考慮した体位と呼吸理学療法を併用すると更なる排痰効果が期待できます。 - ・
- 肺損傷の危険性の極小化
従来のメカニカル人工呼吸器よりも肺損傷が極めて少ないです。 - ・
-
肺炎の予防・治療に有効
菌の温床となる分泌物を排出し、予防・治療に有効です。